矯正治療中治療後

Q 矯正治療には患者サイドの協力が必要ですか?

歯磨き、矯正装置や食べ物についての注意、 診察時間の約束など、患者さんの協力が必要な事は沢山あります。
協力の善し悪しは、治療結果や 治療期間に影響するので、歯科医任せではなく、両者が信頼し合って協力関係を保つ ことが、何よりも大切です。

Q 治療中に食べられないものがありますか?

堅いおせんべいや氷の丸かじり、粘着生の強いキャラメルやガム等は、 装置がこわれたりワイヤーが曲がったりしやすいので、食べないようにして下さい。
また、甘い物もむし歯になりやすいので、矯正治療中は我慢が必要ですから、バランスの良い食事をとるように して下さい。

Q 矯正治療中歯磨きで注意するのはどんな事ですか?

装置が歯の表面についているので、口の中が汚れやすくなります。
歯科医や歯科衛生士に教えてもたっ磨き方で、歯ブラシやデンタルフロスなどの補助具を使って、 ていねいに磨いてください。歯磨きによって、装置が壊れる事はあまりありません。フラッシングが悪いと 歯肉が腫れる事があります。こんな時はウォーターピックなどを使い、歯や歯ぐきを健康に保って下さい。

Q 治療中にむし歯になる事はありませんか?

歯の表面に装置をつけるので、口の中が複雑になり、 食べかすが付きやすく、むし歯になりやすい環境になります。
しかし、教えられた通りきちんと歯磨きやフ ロッシングをすることで、むし歯になることを防ぐことができます。なによりも、患者さんのやる気が大切です。 また、治療を始める前に、奥歯の噛む面の溝をプラスチックでつめてむし歯になりにくいような処置を施すことができます。

Q 治療中にむし歯が見つかったらどうするのですか?

前歯のでこぼこや重なりがなくなりきれいに並ぶと、それまでは見えなかった箇所に、 むし歯が現れてくる事がよくあります。
むし歯を発見したら、いったんその部分の装置をはずして、 むし歯の治療をおこないます。

Q 治療中に転勤などが原因で、遠くへ引越すような場合はどうなりますか?

矯正に携っている歯科医は国内だけでなく、世界中の各地にいます。
世界中の矯正歯科医が載っている名簿を調べて、国内・国外どこの歯科医にも連絡ができ、 治療の引き継ぎが可能です。それまでの資料と共に、紹介状を持って、新しい歯科医の所へ安心して移れます。

Q 治療中でも、スポーツや楽器の演奏ができますか?

柔道や空手のような激しい格闘技では、 くちびるの裏側を装置で傷つけることがあります。またクラリネットやサックスのような楽器は、 指しゃぶりと同じ力が前歯にかかるので、出っ歯になったり治療のための歯の移動を妨げることがあります。
いずれにしても、口の中を傷つけたり、治療の進行を妨げる恐れがある場合は、あらかじめ歯科医と相談してください。

Q 矯正治療が終っても、保定装置をいれておくのはなぜですか?

矯正治療で移動させた歯は、矯正装置を外したあと、 もとの位置に戻ろうとする動きがあるため、歯が安定するまで 保定装置を入れておく必要があります。
保定期間に入ると、数ヶ月に1回、歯科医のチェックを受けます。年令や歯並びによって異なりますが、 平均1年半~2年間の保定が必要です。

Q 治療した後、歯並びや咬み合わせが再び悪くなる事がありますか。それはどんな場合ですか。

治療後に、次のような状態が生じた場合です。

(1)骨格的な反発咬合で、とくに家系に遺伝のある人の下顎が、成長期に伸びる場合。
(2)親知らずが生えてきて、前歯を凸凹にしたり前に押しだす場合。
(3)指しゃぶりや舌癖のような週間をつづけて、上下の前歯にスペースができる場合。
(4)鼻疾患・扁桃腺肥大・アデノイド・口呼吸など、口腔内の環境が悪い場合。
(5)保定装置を、歯科医の指示どうりに使っていない場合。

以上のような原因で、歯並びや咬み合わせが再び悪くなった場合は、再治療が必要です。 症状によって、簡単な装置で治せる場合と、そうでない場合があるので、歯科医に相談してください。