姿勢と咬口

最近いわゆる顎関節症が発現する一つの原因として咬合のほかに全身の様々な失調の関与指摘されてます。下顎骨の役割は、 咀嚼と気道の確保にとどまらず、上体変位に対する主に前後方向の機構的平衡器、すなわちバランサーとしての機能もあります。 従って下顎運動は頸椎をはじめとした全身の用件に影響されます。(下顎の開閉運動において上部頭蓋と頸椎、そして下顎は 連動して動きます。)

従来の矯正治療においては首から上が対象であり、 ある不正咬合状態から治療により新たな咬合状態になるに当たり、身体にどのような変化があり、どのような症状が現れるかという 事はほとんど考慮されませんでした。しかし、現在では顎口腔系と全身との関連不正な噛み合わせにより姿勢の変化が間われており、 全身との関わりの中で捉えていく時代になりつつあるといえます。
逆に仕事の都合や生活習慣による特有の姿勢は、筋の緊張を変え頭位の変化を起こし、それは下顎骨の偏位を誘導して長期的に 上下歯牙の移動へと至る事になるわけで、その噛み合わせの位置は仕事や生活習慣を変えない限りそれに適応した状態ともいえます。 しかし、その習慣位を取るために筋肉に無理をさせているのは事実であり、偏位が大きい場合、神経血管などを圧迫し局所の機能低下や不定愁訴を引き起こすと考えられます。このように噛み合わせの変化が全身的に側湾症 前湾症を引き起こし色々な不定愁訴へと発展していきます。 私たちは噛み合わせを全身の一部として治療に当たっています 。

実例1

姿勢と咬口実例

実例2

姿勢と咬口実例